METHODOLOGY

この装置は、何を測っているか

測れないものを測れたことにしない。この方法論はそのために書かれています。 本文中の数字はすべて、ページを開いた時点のデータからの再計算値です。

1 — データの形

観測単位は Entity(主体)と辺(関係)です。 現在 — の主体と — 本の辺を保持しています。 辺は「誰が・誰に・どの述語で・いつから・いつまで・どの水準の証拠で」を持ち、 述語は 7 カテゴリ(資本・技術・商業・流通・政治・競争・地理)に写像されます。 カテゴリに写像できない未定義述語の辺は現在 — 本です。

証拠水準は 5 段階です。辺のうち一次資料(verified_fact)で確認できているのは — — この比率を高く見せる加工はしていません。内訳:

辺の証拠水準の分布(実測)。バーの長さのみが量を表す。

解決できていない参照も数えて持っています。関係の相手として名前は登場したが Entity として解決できていないものが — 件 — このグラフには「まだ名前しか知らない相手」が写っていない、という宣言です。

2 — 極性: 陣営を宣言しない

この装置は「A 社は α 陣営」と宣言しません(NEG-023)。 代わりに、次の手続きで計算します。

  1. 負の辺で極を作る — 競合(competes_with)・代替・制裁の辺だけを取り出し、 そのグラフを BFS で二彩色します。次数や知名度のヒューリスティックは使いません。 得られた二つの色の集合が「極 A」「極 B」です。名前を持たない、計算上の極です。
  2. 正の辺で帰属度を流す — 出資・供給・依存などの正の辺に沿って、 極の値 ±1 をカテゴリ重み付きの反復平均で伝播させます。 1 ホップごとに減衰係数 — を掛けるため、 極から離れるほど帰属度は必ず弱まります。
  3. 届かないものは「判定不能」 — 極から辺をたどって到達できない主体の値は 0 になりますが、それは中立ではありません。— の主体がこれに該当し、 0.00 と混ぜず「判定不能」として軸の外に描きます。
−1.00+1.00 +1.00−1.00 ×0.9×0.81 判定不能 負の辺(二彩色) 正の辺(伝播・減衰)
左: 負の辺だけで極を二彩色する。右: 正の辺に沿って帰属度が減衰しながら流れる。 破線の輪 = 極への経路がない主体(判定不能。0.00 ではない)。

負の辺のグラフが完全に二部グラフなら、この世界は本当に「2 陣営」です。 現実にはそうならず、二彩色で同色同士がぶつかる辺が生じます。その比率が frustration_index = — — 「2 陣営」という前提自体がどの程度怪しいかの実測値です。 この値が大きいほど、極性軸の解釈には割引が必要です。装置はこの割引を隠しません。

カテゴリごとの伝播の重みは固定で、公開されています。

カテゴリ重み意味

3 — 確度: 重要度とは別のチャンネル

ある主体の帰属度がどれだけ信じられるかは、その主体の重要度とは別の量です。 画面上でも両者は混ざりません — 重要度は大きさで、確度は線種・記号で表現され、 確度に色相を与えることはありません。

確度は quantified_share × source_quality で計算されます。 現在のシードには数量修飾子(出資比率・依存率)が一件もないため、 全主体の確度の値は 0 です。これは不具合ではなく正しい出力です — Stage 0 の極性は「方向はわかるが強さは定量化されていない」段階にあり、 それを高く見せる補正はしていません。

4 — シグナル: 3 種類の軋み

現在 — 件のシグナルを検出しています。順位は strength 降順のみです(NEG-024)。

種別検出条件現在

予測された破断は、辺そのものの線種を変えません。事実(辺の状態)と予測(シグナル)を 同じチャンネルに載せると、予測が事実に化けるからです。予測はリングが背負います。

5 — evaluation_blocked: 沈黙の禁止

帰属の矛盾の判定には、2 カテゴリ以上の被依存の辺が必要です。 そこに届かない主体はシグナル評価ができません。現在 — の主体がこれに該当します。

「シグナルなし」と「評価できなかった」は違う。 前者は安全の主張であり、後者は無知の告白です。この装置は後者を evaluation_blocked として全件開示し(FR-166)、 画面上でもスレートの弧として描き続けます。観測できていないことも、観測結果です。

6 — 矛盾: 平均しない

同じ対に逆向きの所有主張が同時に存在するとき、平均を取ればもっともらしい数字は出ます。 この装置はそれをしません。証拠の強い側で解決するか(現在 — 件)、 解決不能と明示して両方向を計算から外します(現在 — 件)。 自己ループ — 件は別名解決の失敗の疑いとして保持しています。 全件はシグナルのページにあります。

7 — 測れていないもの

  • 数量修飾子(出資比率・依存額)が未収載 — 確度 0 の主因。
  • 未解決参照 — 件 — グラフの外に、名前だけ知っている相手がいる。
  • frustration_index が示すとおり、「2 極」への射影は近似であって実態ではない。
  • as_of 既定値より新しい事実は写っていない(データ版: —)。

これらを隠して滑らかな絵を出すことは簡単ですが、それはこの装置の存在理由の放棄です。 測って、そのまま出す。使えるかどうかの判断材料ごと渡す — それがこのプロダクトです。

8 — 描画の既定: 紙とインク

観測室の地は、この読み物と同じ紙です。白地では発光が使えませんが、 原理は変わりません — 地に対するコントラストが意味を運ぶ。方向が逆になるだけです。 重要度は墨の濃さと線の太さが、グレーアウトは淡さが背負います(濃度の下限 0.25 は 「消さない」ための下限としてそのまま維持)。形状・線種・ハッチ・バッジの冗長エンコードは テーマに依存しないため、いっさい変わりません。暗夜テーマは切替として残っています。

既定の描画密度は意図的に低く抑えています。地の辺は背骨 (発光端点を持ち、反対端点も沈み切っていない辺)と上位シグナル辺のみを描き、 リングとラベルも上位から描きます。描かれなかったものは消えたのではなく、 凡例に本数を計上し、ホバー・選択・ズーム・「辺を全表示」で復帰します。 掘れば出る — 既定は静かに、という方針です。